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COMMENT

音楽劇「三文オペラ 歌舞伎町の絞首台」

コメント(敬称略、順不同)

歌舞伎町には、至る所に絞首台があるのだけれど。ギロチンと違って、即死しないのだ。とりあえずぶら下がるふりしてたら、数秒後に見物客の誰かが足を持ち上げてくれたり、縄を切ってくれたりする。息を吹き返したら、執行人だったはずの湯山玲子様が抱きかかえて復活と恩赦の歌を指揮してくださる。でも、『三文オペラ』を観ておもしろかったと言わなきゃ、次は火刑台に連れて行かれるよ。今度は見物客も助けてくれず、あなたが燃えてる姿を見てキレイ!と騒いでしまうよ。

岩井志麻子(作家)

『三文オペラ 歌舞伎町の絞首台』の豪華でエッジの効いた布陣を見て、狂喜してしまいました!三文オペラは、一人一人の役者さんの「声」と「個性」によってガラリと変わる芝居なので、常日頃、こんな方達に演じてもらったら面白いなあ、と感じていた意中の方々を引き寄せてくれた『三文オペラ』の作品の魅力にもあらためて惹かれます。それに「新宿」は、1932年3月に日本で三文オペラが初演された、特別の磁場を持つ場所です。その年、政治的暴力に直面したヴァイルは「観客の問題意識を喚起するには、生ぬるい表現ではこと足りと足りない、極限まで表現しなくては」と訴えました。この危うい時代に放たれる「極限の三文オペラ」、大いに期待しています。

大田美佐子 (神戸大学教授・音楽学者)

浅薄なポリコレの時代にカツを入れる、悪党と悪女だらけの音楽劇。ヤワな座組では太刀打ちできない曲者的な作品だが、スタッフもキャストも悪党と悪女だらけだから大丈夫だろう。個人的には、クルト・ヴァイルに取り組む悪女・大野由美子に期待大。蛇足ながら「悪」には「力強さ」という意味もあります。

小崎哲哉(アーツ・プロデューサー/ジャーナリスト)

「コメントをお願いします」と言われ、資料を眺めているうちに、忘れていた記憶が呼び覚まされた。
一つは、1977年に帝劇で上演され、父と観に行った、蜷川幸雄版『三文オペラ』。平幹二朗さん、栗原小巻さんの立ち姿に、蜷川幸雄さんの生み出す退廃的な空間と色彩。細かいことは覚えていないのだけれど、小学6年の頃の私の記憶が、断片的に蘇ってきた。
そして2017年、京都・アンダースローで観た、劇団地点の『ヘッダ・ガブラー』。読売演劇大賞・優秀作品賞受賞の記事を読んで興味が湧き、京都まで足を運んだのだ。なにか、奇妙な余韻が残る芝居だった。
この二つの記憶が、いま、同時に呼び覚まされるとは。キャストといい、「歌舞伎町の絞首台」という副題といい、この芝居——楽しみでしかない。

草刈民代(俳優) 

ブレヒトの『三文オペラ』を上演する。しかも、2025年の歌舞伎町で。
世界恐慌直前の1920年代、欲望と資本主義の蠢きのベルリンを舞台にした芝居が、なぜ今の日本に降り立つのか? 
大きな転換期を迎えている今の日本。時を経ても変わらぬ人の業と断絶。時代の縁を覗き込むようなピカレスクロマン。想像するだけで、ぞわぞわとワクワクが止まりません。
キャスティングの妙にもご注目!豪華俳優陣だけでなく、スタイリストは「HAPPNING」で知られる伏見京子氏、舞台美術に加藤ちか氏、そして、メイクはあの冨沢ノボル!
会場は伝説のライブハウス、リキッドルーム跡地。昭和から令和へ。歌舞伎町に蠢く欲と創造と混沌の霊魂が放たれる、その瞬間を目撃しよう。

軍地彩弓(ファッション編集者)

はじめに、僕は『三文オペラ』を見たことがない。
もちろん、音楽劇であること、100年近く上演され続けている名作戯曲であることは知っているが、劇場で見たことはない。
しかし、聖児セミョーノフというアーティストの魂の叫びと、地点の三浦基さんの芸術的な演出、共演した俳優陣の頼もしさは知っている。
不朽の名作に、圧倒的才能が集約して、上演されるのが今作なのだなぁと、いち観客として、ワクワクせざるを得ないのです。
新宿歌舞伎町、東京一の繁華街で生まれる"現代"の「三文オペラ」を見逃すわけにはいかない。

関口アナン(俳優)

悪所と言われる歌舞伎町で美学を追究している我々ホストたちと、ブレヒトが描く三文オペラの愉快さが同じ空間に在ることが、とっても刺激的ですよね。思いっきり、花を添えさせていただきますよ!

手塚マキ(Smappa!Group代表)

監獄につながれたマック・ザ・ナイフ。檻のなかの彼氏の目の前で、えげつない大喧嘩を始めるルーシーとポリー。女子2人の嫉妬のデュエットがおもしろい。取っ組み合い、巴投げありの大立ち回り。待て待て、これはなんや?僕が今稽古し始めている、文楽の「嫗山姥(こもちやまんば)」にそっくりではないか?!
傾城(高級娼婦)の八重桐が『打掛ひらりと取って捨て、白無垢ひとつに引っしごき、脛(はぎ)もあらわにかけ來たり、私が膝にふうわりとん、と居かかって』と語れば、かたやルーシーとポリーは『綺麗な脚を見せてみなさい!あ、なんて大根足。私の脚を見なさい』『あら、大きなお尻だこと』と罵り合う。「三文オペラ」(1928年)はブレヒト、「嫗山姥」(1690年頃)は近松門左衛門。東西2人の鬼才による、赤裸々に嫉妬合戦を繰り広げる女たちのセリフの一つ一つが愛おしい。

十一代目 豊竹若太夫(文楽 太夫)

三文オペラ、このタイトルを目にするだけで、ちょっと胸がときめく。自ら、貧弱でくだらない物語ですよ、と宣言しているのにもかかわらず、一文字一文字に独特のオーラが潜んでいるからだ。恐ろしいほどの才能に恵まれたワイルという作曲家が、敢えてバカげた話に全力で音楽を付した、音楽史に類をみない珍実験。結果として出てきたのはご存じのとおり、笑い泣きのようにありとあらゆる上品と下品を包含した、あまりにも魅力的な作品だった。このオペラが現代の東京に蘇るというのだから、これは絶対、何をおいても駆けつけねばならない。 

沼野雄司(音楽学者)

大きな正義より小さな悪事の方がマシなことがある。しかし小さな悪事を容認し続ければやがて大きな悪事が正義の顔をしてまかり通る。人間は愚かな生物。100年前に起きたことは今も起こりうる。この古典オペラの現代的な意味がここにある。福岡伸一大推薦。

福岡伸一(生物学者、青山学院大学教授、ロックフェラー大学客員教授)

地点の三浦さんが三文オペラをやるですって、会場は歌舞伎町のテクノ聖地跡でZAKさん音響!? 演奏に大野由美子さんで、湯山玲子さんによる最強音楽メンバー集結てことだ!? 年末の興高采烈、一体何が起こるんでしょうか、私も肝臓整えて参加したいと思います!!

Licaxxx(DJ)

僕がクルト・ワイルを最初に知ったのはベルトルト・ブレヒトからだった。
80年に法政大学に居たりすると"難しいもの好き"になっていたのか。
再認識したのはハル・ウィルナーのアルバムだった。
僕の初プロデュース作品「アンファン」はこのアルバムに影響を受けた。
しかし、時は経ち過ぎて同じ歳の湯山さんがこの2025年の年末に「三文オペラ」を開催、プロデュースまでするとは!
しかも会場は旧新宿リキッドルーム。
ロケーション含めまさに"湯山ワールド"!!を堪能したい。

井出靖(音楽プロデューサー、DJ)

なんだか気持ちの晴れない今日この頃。
おもしろきこともなき世をおもしろく...と
われらが「快楽上等!」プロデューサー、湯山玲子さんが、
ウラ金と忖度のはびこる日本を笑いのめす、現代版三文オペラ。

上野千鶴子(社会学者)

今回のような一癖も二癖もあるキャスト、スタッフを統括して初日に漕ぎ着けるまでなんて想像するだけでも恐ろしい。地獄の日々だったのではないだろうか? それにしても気になるのは、湯山玲子は一体如何にしてこの超強力なメンバーを招集出来たのか? である。何がここに待っているのやら。この『三文オペラ』は観に行かなければ絶対に後悔しそうだ。

近田春夫(ミュージシャン、作曲家、音楽評論家)

ピカレスクロマンの古典的名作・ブレヒト「三文オペラ」を湯山玲子(私と同い年)がプロデュース!
しかも音楽は大野由美子(バッファロー・ドーター)、衣装に伏見京子、ヘアメイクは冨沢ノボル…と私の友人でありつつ最高にリスペクトするクリエーターが集結!そして出演者も個性的な方ばかり。
混沌とした今の時代だからこそ「三文オペラ」。これは絶対面白いはず!

野宮真貴(シンガー)

有象無象のクズしか出てこないし、そこに教訓を拾わせることも許さないおよそ100年前の「三文オペラ」を、今、しかもトー横に位置する場所で観るというのは、もはやドキュメンタリー。ボーダーレスにオルタナを標榜し続けてきた大野由美子さんの編曲とZAK氏の音響で、クルト・ワイルがどんなリアル新宿砂漠に変貌するのか。この世情のタイミングだからこそ目撃する意味がある。

吉岡洋美(ライター)
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